居抜きとは、以前使われていた店舗や工場を、解体しないで設備や家具などをつけたままの状態で買ったり売ったりする事です。大手チェーンの飲食店や小売業などでもよく利用される手法で、売り主側は解体工事や原状回復をせずに売ることが出来て、買主側も新しい建物を工事をしたり設備を一から購入する手間暇なく流用することが出来て便利です。特に飲食店などは出店の際に、どうしてもキッチン設備などに多額の初期投資が必要となりがちですが、このコストを下げて出店出来るのが、居抜きのメリットと言えます。

更に、そのまま使える設備が多いということは、開店までの準備期間も短くて済むことになり、買主側の出店に対するコストを大幅に削減する事が出来ます。長引く不況の中で、個人経営の店や小売業も店舗閉鎖や倒産に追い込まれることも多かったことから、この居抜き物件を扱う業者の数も多くなり、ラーメン店、エステサロン、居酒屋、カフェ、美容院、歯医者などまで、今では居抜き物件は珍しいものではなくなりました。

また、今では親が経営していた事業を、そのまま子が継ぐ事も昔ほど多くはない為、高齢者が引退する際に、閉店直前まで事業をして、その後居抜き物件として賃貸に出されたり、売買されるケースもあります。

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